「イグニったら、カナデ君が来た途端にふぬけちゃって」
「だよねー、でも分かる」
「……分かる、今すぐに番の所に行きたい。押し倒して撫でまわしたい」
「それな!!」
俺と同じ思考でしゃべっているのは、俺と同じ四竜王たちだ。
以前まではいまいち理解できなかったこの会話も、今となっては同意しかない。
今はまだ怪我が治っていないから、無理はさせられないが……カナデを抱きしめたいし、キスもしたい、その先だってしたいという気持ちは、十分すぎるほどにたまっている。
食べる仕草、笑い声、寝顔……カナデが何をしていても愛おしい。もういっそ、存在してくれているだけでいい。
「……番……ヤバい。ヤバすぎてヤバい。もう何もかもがヤバい。俺の人生マジヤバい」
「イグニ、語彙力語彙力!!」
「最初って、皆まずこうなるんだよな」
「慣れてきてもヤバいけどな!!」
「ほんとそれな!!」
これが四竜王の会議だとは、誰が思おうか……しかし、実際にこうなのである。
もちろん本来の会議の内容である大事な話し合いは、すでに最初のうちに終わらせている。
いつも会議は早々に終わってしまうから、終わった後にこうやって現状報告のような事をしては、毎回脱線していくのだ。
「……もう無理、限界だ!! 先に帰る!!」
「え、じゃあ俺も!!」
「よし今日はここまで!!」
「……押し倒す」
そんなノリで会議は解散となったが、さすがに俺は押し倒すまでは出来ない。
カナデの怪我が悪化するかもしれないし、何より急にそんな事をしたら拒まれるだろう。
だけど、一秒でも早く多く、カナデに会いたいという気持ちが、俺の中で爆発する。
俺は珍しく、息を切らせて走っていた。
「カナデっ!!」
「……おかえりなさい?」
自室で茶を飲んでいたカナデは、息を荒げて飛び込んできた俺に驚いたのか、小首をかしげて若干困惑気味だ……なんだその仕草、可愛いな。
突然の俺の襲来に立ち上がろうとするが、緩やかに結っているカナデの美しい黒髪が、するりと肩から落ちる。
普段はただただ可愛いのに、時折見せるこういう色っぽさは反則だ……本人は無意識かもしれんが。
「今日は会議だったのでは?」
「ああ、もう終わった」
なんかちょっと夫婦っぽいな、この会話。
思わずニヤけてしまいそうだが、それを阻止するかのように、テーブルの上の物体が目についた。
「……なんだこれは」
「緑茶ですが」
……茶? いや、どう見ても緑色なんだが。
そういえば、カナデの故郷の品を手に入れてきた、とアルバが言っていたな。
という事はこれがミヅキの国の茶なのか? 俺は緑色の液体を訝しげに見つめ、そのまま手に取って一口飲んでみる。
「あ」
「ぶっふぉおぉぉ!!」
に、苦い!! なんだこれは!?
あまりの苦さに思わず吹き出してしまった……これが本当に茶だというのか!?
俺の吹きだした液体を、アルバが笑いを堪えながら拭いている……後で覚えておけよ。
ミズキの国は独特な文化である、という事は知っているが……。
しかし、カナデは先程まで普通に飲んでいたな。という事は、この茶はこれで通常の味という事だ……。
俺はカナデの事なら、何でも知りたいと思っているが……しかし、彼をちゃんと理解する事ができるのか、少々不安にもなった。
「だよねー、でも分かる」
「……分かる、今すぐに番の所に行きたい。押し倒して撫でまわしたい」
「それな!!」
俺と同じ思考でしゃべっているのは、俺と同じ四竜王たちだ。
以前まではいまいち理解できなかったこの会話も、今となっては同意しかない。
今はまだ怪我が治っていないから、無理はさせられないが……カナデを抱きしめたいし、キスもしたい、その先だってしたいという気持ちは、十分すぎるほどにたまっている。
食べる仕草、笑い声、寝顔……カナデが何をしていても愛おしい。もういっそ、存在してくれているだけでいい。
「……番……ヤバい。ヤバすぎてヤバい。もう何もかもがヤバい。俺の人生マジヤバい」
「イグニ、語彙力語彙力!!」
「最初って、皆まずこうなるんだよな」
「慣れてきてもヤバいけどな!!」
「ほんとそれな!!」
これが四竜王の会議だとは、誰が思おうか……しかし、実際にこうなのである。
もちろん本来の会議の内容である大事な話し合いは、すでに最初のうちに終わらせている。
いつも会議は早々に終わってしまうから、終わった後にこうやって現状報告のような事をしては、毎回脱線していくのだ。
「……もう無理、限界だ!! 先に帰る!!」
「え、じゃあ俺も!!」
「よし今日はここまで!!」
「……押し倒す」
そんなノリで会議は解散となったが、さすがに俺は押し倒すまでは出来ない。
カナデの怪我が悪化するかもしれないし、何より急にそんな事をしたら拒まれるだろう。
だけど、一秒でも早く多く、カナデに会いたいという気持ちが、俺の中で爆発する。
俺は珍しく、息を切らせて走っていた。
「カナデっ!!」
「……おかえりなさい?」
自室で茶を飲んでいたカナデは、息を荒げて飛び込んできた俺に驚いたのか、小首をかしげて若干困惑気味だ……なんだその仕草、可愛いな。
突然の俺の襲来に立ち上がろうとするが、緩やかに結っているカナデの美しい黒髪が、するりと肩から落ちる。
普段はただただ可愛いのに、時折見せるこういう色っぽさは反則だ……本人は無意識かもしれんが。
「今日は会議だったのでは?」
「ああ、もう終わった」
なんかちょっと夫婦っぽいな、この会話。
思わずニヤけてしまいそうだが、それを阻止するかのように、テーブルの上の物体が目についた。
「……なんだこれは」
「緑茶ですが」
……茶? いや、どう見ても緑色なんだが。
そういえば、カナデの故郷の品を手に入れてきた、とアルバが言っていたな。
という事はこれがミヅキの国の茶なのか? 俺は緑色の液体を訝しげに見つめ、そのまま手に取って一口飲んでみる。
「あ」
「ぶっふぉおぉぉ!!」
に、苦い!! なんだこれは!?
あまりの苦さに思わず吹き出してしまった……これが本当に茶だというのか!?
俺の吹きだした液体を、アルバが笑いを堪えながら拭いている……後で覚えておけよ。
ミズキの国は独特な文化である、という事は知っているが……。
しかし、カナデは先程まで普通に飲んでいたな。という事は、この茶はこれで通常の味という事だ……。
俺はカナデの事なら、何でも知りたいと思っているが……しかし、彼をちゃんと理解する事ができるのか、少々不安にもなった。
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